セリカがフランス海軍ダイバーのために設計した特別モデルの限定版
フランス海軍EODダイバーズ協会との密接な協力によって開発された5303の新作は、COSC認定の信頼性を備えつつ、浮上補助のための新スケールなどいくつかの注目すべきアップデートが施されている。
パネライスーパーコピー代引き 激安セリカはこのたび、ダイバーズウォッチである5303のリミテッドエディションを発表した。本モデルは、フランス海軍の爆発物処理(EOD)ダイバーズ協会との共同開発によって誕生したもので、ベゼルに新たなダイビングスケールを備えるなど見た目に少々変更を加えながら、視覚面でも5303のなかで独自の個性を放っている。
ケース構造自体に変更はない。39mm径・厚さ12.2mmのステンレススティール製ケースには、同ブランドの多くのモデルに採用されている竪琴ラグが備わっている。ラグ・トゥ・ラグは46.5mmと従来とほぼ同様で、付属のスチール製メッシュブレスレットはエンドリンクと可動式のコマで接続されており、小さな手首にもフィットしやすい設計となっている。ケースバックの内側には、5万A/Mの磁場に耐える軟鉄製インナーケージが収められており、この構造によって本モデルは耐磁性を備えたダイバーズクロノメーターとして位置づけられている。
5303 PLD On bracelet
針のデザインは従来モデルを踏襲しているが、秒針には“ファット・ロリポップ”型が採用されており、発光面積の広いこの針の仕様によって水中での視認性が大幅に向上。またブラックダイヤルの表記も変更され、防水表記の代わりに“AMAGNÉTIQUE(耐磁)”と記されている。これは軟鉄製インナーケースによる耐磁構造を示すもので、裏蓋の内側に隠れた仕様ながら、文字盤にその存在を明確に表したものだ。
最大の変更点は、ベゼルに施された視覚的なアップデートである。セラミックインサートには、ブラックやライトブルーに加えて、新色“アビサルブルー”が登場。この色合いは、グレーとグリーンのトーンを含んだ深みのあるネイビーブルーと説明されている。また、EODダイバーの実用性に配慮して開発された“DT MAX”のダイビングスケールも新たに搭載。これはデュアルスケール構造で、内側のスチール製ベゼルリングには分表示、外側のセラミックインサートには水深がメートル単位で記されている。これにより、潜水中の任意の水深における最大作業可能時間がひと目で把握でき、ガイドラインに沿えば減圧停止を行わずに安全に浮上することが可能になるという。
PLD 5303 Wrist Shot
Caseback of 5303
Operation Wrist shot
ムーブメントには2万8800振動/時で駆動し、42時間のパワーリザーブを備えたCOSC認定の自動巻きキャリバー、ソプロードのCal.M100を搭載。PLDエディションには標準のメッシュブレスレットに加えて、もう1本ストラップが付属する。このストラップは、1960〜70年代当時にパラシュートのゴムを用いて自作され、フランス海軍の潜水員たちに支給されていたチューダー製ダイバーズウォッチに取り付けられていた“マリーンナショナル”スタイルを再現したものである。ブルーのベゼルと合わせることで、当時の空気感を現代的に蘇らせた仕上がりとなっている。
セリカ 5303 PLDは全世界500本限定で、価格は1690ユーロ(日本円で約27万6000円)。注文受付は2025年5月20日(火)に開始される。
我々の考え
セリカのツールウォッチにおける、いまや定番ともいえるデザイン言語が好みであれば、本作もきっと気に入るはずだ。ベゼルに採用された新しいブルーセラミックの色合いも魅力的で、文字盤から防水表記が消えたことを残念に思う向きもあるかもしれないが、“Chronomètre Amagnétique”という文字列は文字盤にさりげない変化を与える優れたアプローチである。自分はただの“デスクダイバー”にすぎないので、このスケールが実際にどれほど実用的なのかについて、当サイトの“潜水主任”ジェームズ・ステイシーに確認してみた。その答えはというと…要するに、これは本当にプロフェッショナル向けの機能だということだ。
5303 EOD
Wristshot on leather jacket
5303 Closeup
ジェームズ曰く、「このPLDエディションに搭載されたスケールは、極めて専門的な軍用スタイルの潜水ニーズに応えるものだ。要はひと目で把握できるメトリクスであって、PADIやNAUIのようなレクリエーショナルダイバー向けのスケールではない。特定の用途にしか向いていないのは、急浮上による怪我のリスクが非常に高いからにほかならない。ダイビングの訓練では、まずそれを回避することを学ぶ。たとえば水深30ftで肺いっぱいに空気を吸っていると、その空気量は水面に比べてほぼ2倍になる。つまり、急に浮上すればそれだけ身体に負担がかかる。減圧症のリスクを考慮しなくても危険なのだ。詳しく知りたければボイルの法則を調べてみて欲しいけど、ここでは深入りしない。ただ、この機能はごく限られた用途に特化したものだが、正直に言ってすごくクールだし、限定モデルにふさわしい“フック”になっていると思う」
このコメントをSlackで一行ずつ受け取りながら、ダイビングタンクやダイブコンピューターに近づいたこともない自分は、画面の前でただただうなずいていた。今回の5303 PLDには、一般的な経過時間スケールを特定用途向けに改変した、いわば“専門的”なスケールが採用されている。その意味では、ドクサのノーデコベゼルや、チューダー ペラゴス FXDのM.N.バージョンで見られたアプローチにも通じるものがある。ブランドがここまで特化した仕様を限定モデルとして打ち出した点は非常に興味深く、フランス海軍のダイビングの過去と現在に思いを馳せるファンにとって本作はまさに手に入れるべき1本といえるだろう。