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もしこの記事を2009年から2021年のあいだで書いていたら、クロノメーター・ブルーの話をしていただろう。

このモデルは2008年の金融危機によって高級時計の需要が減少したあと、F.P.ジュルヌが開発したエントリーレベルの時計として有名だ。ケースは貴金属ではなくタンタル製で、ムーブメントはクロノメーター・スヴランの通常モデルよりもやや複雑さを抑えたものでった(“ブルー”にはパワーリザーブがない)。また、歩留まりが悪いことで有名な玉虫色のブルーダイヤルを採用し、希望小売価格も当初は2万ドル以下(日本定価は税込で279万3960円)に設定されていた。

時代は変わるものだ。2010年代に入ってジュルヌが有名になり、時計への関心が高まるにつれ、クロノメーター・ブルーは世界で最も人気のあるF.P.ジュルヌの時計となった。The Journe Guyを主宰するコレクター、オサマ・センディ(Osama Sendi)氏によると、クロノメーター・ブルーの年間生産数は2019年まで年産約190本で、その後約100本にまで減少したという(注釈:F.P.ジュルヌは年産1000本を超えたことがない)。

高い関心と生産量の少なさから、二次流通市場は伸長しており、クロノメーター・ブルーは過去12ヵ月間、常にプラスマイナス10万ドル規模の価格で推移している。2022年の価格改定の一環として、F.P.ジュルヌはクロノメーター・ブルーの希望小売価格を3万7400ドル(税込で480万8800円)に引き上げた。これは、この時計の需要や製造に必要な工数と時間を反映した大幅な値上げである。

エレガントでしょ?

F.P.ジュルヌの入り口としてよく挙げられるのは、2014年に突如発表され、その後(これも突然だが)特にこの2年間で需要と価値が急上昇した超クールなクォーツウォッチ、エレガント(Élégante)だ。

2次流通市場の貴重な情報源であるChrono24は最近、5万ドル以上を安定して売り上げていることから、F.P.ジュルヌ のエレガント 48mmを「2022に投資するべき時計トップ5」にラインクインさせている。登場した当初、エレガントは1万3000ドル程度だった。2022年の値上げにより、このコレクションはエレガント 40mmが1万4500ドル(185万9000円)、エレガント 48mmが1万6700ドル(214万5000円)からとなった。もちろん、希望小売価格(ともに税込)で見つけられたらの話だが。 

考えてみてほしい。現代のクォーツウォッチで、数万ドルの値段がつくだけでなく、2次流通市場に出回ると何倍にも価値が上がるような例をほかに思いつくだろうか? クォーツの分野では、数万ドル規模の価格で取引されているロレックス オイスタークォーツのヴィンテージモデルくらいしか思いつかない。


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時計の収集 URL 2022年02月28日(月)10時05分 編集・削除

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2023年の4月に2530万円という水準に達していたプラチナのダイヤ文字盤モデル、

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